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 2016年からイギリスでは新しく発行される5ポンド紙幣の裏面にチャーチル元首相の肖像が使用される予定である。現在の紙幣には、進化論で有名なダーウィンや経済学者のアダム・スミスなどが採用されており、現代の政治家が選ばれるのは極めて珍しい。イギリスでは現在でもチャーチル人気は高く、2002年の「100名の最も偉大な英国人」の世論調査では1位になったこともある。そんなチャーチルを紐解いてみる。

 チャーチル家が繁栄したきっかけは17世紀のウィンストン・チャーチルだった。彼は弁護士からイングランド庶民院の議員に当選し、ナイト爵を与えられた。その息子ジョン・チャーチルは軍才を発揮して、1代でイギリスの名門貴族マールバラ公爵家を興した。
第7代マールバラ公爵がジョン・スペンサー=チャーチルでチャーチル元首相の祖父にあたり、三男のランドルフ卿が父親にあたる。父ランドルフ・チャーチル卿は、1874年に庶民院議員に初当選した保守党の政治家であった。当時のヴィクトリア朝の上流階級では子供の養育は乳母に任せ、親と子供はほとんど関わりを持たず、時々顔を見るだけという関係であることが多く、チャーチルも同様の環境で育った。貴族生活を送っていく中で、人生の中で素晴らしいものを好み愛するようになっていった。

パブロ・ピカソによると「チャーチルは画家を職業にしても、十分食っていかれただろう」と評価しているほど、絵画を描くことが好きだった。戦争中でも、どこに行くにしても絵の道具一式を持参するほどで、「絵を描くことは他人に迷惑をかけず、全てを忘れることが出来る、もっとも良いホビーだ」との言葉を残している。風景画を好んで描いていた。日本でもアマチュアの絵描き愛好会として1949年に発足した「チャーチル会」という親睦グループがあり、会の名の由来は油絵の名人―熱心な日曜画家の大先輩―だったことから名づけられたそうだ。

歴史の中でも最も名高いシガー愛好家「ウィンストン チャーチル」。彼をオマージュして作られたダビドフの新ラインが「[DAVIDOFF WINSTON CHURCHILL] ダビドフ ウィンストン チャーチル」だ。彼の特徴をとらえた4種類のラインのうち、まずは2種類を紹介する。

「[THE ARISTOCRAT] アリストクラット」:175mm×18mm
アリストクラット(貴族)の家柄を象徴しており、チャーチルが愛煙したシガーとほぼ同じフォーマット(チャーチルサイズ)で作られている。シリーズ内で最も全長が長く、入り口から感じるペッパーの味わいから焙煎したロースト香のように変化を楽しめる極上の逸品だ。

「[THE ARTIST] アーティスト」:114mm×16mm
アーティスト(画家)としての側面をあらわしたシガーで、豊かで色鮮やかな風景画を描く際には、片手に筆、片手にシガーを持ちながらその芸術的才能を発揮していたシーンが容易に想像できる。ペティコロナサイズでありながらも力強い味わいで、ピリッとしたオーク材の薫りがするこのシガーは、まさに彼の芸術家としての強い気質を象徴しているようだ。

 心の余裕と時間の余裕、そこにシガーとともに過ごす素敵なときを。