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チャーチルという言葉を耳にすると名言を多く残した偉人の一人と思い浮かべる人も多いのではないだろうか。事実、彼は書籍でも演説でも数々の名言格言になる語録を残している。

「成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」

が有名なフレーズだ。また1940年に初めて首相になった際にも

「我々の目的が何かと言えば、一言で答えられる。勝利だ。どれだけ犠牲を出そうとも、どんな苦労があろうと、そこに至る道がいかに長く困難であろうとも勝利のみである」

と演説し拍手喝采を浴びたそうだ。

 いかに人を魅了し巻き込んでいった姿勢が現代にもおけるチャーチル人気を不動のものとしているのは間違いない。名言集もあらゆる言語において数多く出版されていることにも彼の雄弁さを物語っている。

 また魅力的なポイントのひとつとして海外の事情に詳しく異国の文化や人々に精通していたこともあげられる。イギリスが多くの植民地を抱えていた時代に様々な視察旅行へ行っている。著書「アフリカ旅行記」では、ヴィクトリア湖とアルバート湖を繋ぐ鉄道建設予定地へ行くために、マルタ島、キプロス島、スエズ運河経由でモンバサへと行き、ナイロビからウガンダへ入った。先住民たちはチャーチルを紳士的に歓迎し、チャーチルの方もアフリカ人が気に入り、サイやイボイノシシなどの狩猟を楽しみ、多くの美しい風景を描写している。
 チャーチルは日本についても理解を示しており、「ミカドの政府と長年協力してきて私の心に残る印象は、日本人がまじめで堅実であり、重厚で成熟した人々であるということ、彼らが力関係やいろいろな要因を慎重に考える人達であると信じてよいこと、また理性を失ったり、よく考えないで無鉄砲な、計算を度外視した冒険に飛び込んだりはしないということである」と論じている。
 この様々な経験がチャーチルという人格形成に役立っているのであろう。

 そのチャーチルの名を冠したシガーである「[DAVIDOFF WINSTON CHURCHILL] ダビドフ ウィンストン チャーチル」シリーズのショートサイズを2種類紹介する。

[THE RACONTEUR] ラコントゥール」:102mm×15mm
若いころからラコントゥール(話上手)だったチャーチルは、自分の信念や想いをいかに相手に伝えるかの術に長けていた。プチパナテラサイズでシリーズ中最も細く、約25分ほどで吸い終わるこのショートサイズは、そんな対話の最中にも重宝されたのではないだろうか。
ドミニカ共和国とニカラグア産のタバコの葉をブレンドし、ペッパーの味わいからウッディーな薫りの変化を楽しめる逸品だ。

[THE TRAVELLER] トラベラー」:115mm×18mm
トラベラー(旅行者)を自負していたチャーチルは、戦争経験としてもキューバ、ニューヨーク、スペイン、スーダン、エジプト、インドなど多くの国にも訪問している。
このシガーはベリコソというトルペードといわれるシェイプでヘッドが尖った形状をしているのが特徴である。このシェイプは葉巻を巻く難易度が高いため、熟練のシガーローラーしか巻くことが出来ないという点でも老獪だったチャーチルにぴったりである。ペッパーとブラックコーヒーの風味からなる豊かな薫りがよちこのシガーの魅力をおしあげている。

 心の余裕と時間の余裕、そこにシガーとともに過ごす素敵なときを。